月別アーカイブ: 2015年8月

Vol.2 経営不振の最大の理由は社内コミュニケーションの欠如にある

90036d7c87872a22ae8bdba38a858bc8_s_s経営不振の会社に共通していることは、数多くありますが、最も基本的な部分での共通点は「社内コミュニケーションの欠如が挙げられます」 中小企業は、規模が小さいことで、行動も早いことが長所ではありますが、逆に硬直化してしまう短所ももっています。

① 社内コミュニケーションとは何か
「うちの会社は会議も沢山やっているし、意見交換はできている」
「私の考えはいつも社員に伝えている」
「営業だけでなくて、経理やその他のスタッフにも気を配っている」

これは、私のクライアントの経営者が最初に私に会社の状況を説明している言葉です。
この言葉だけ捉えると、コミュニケーションは円滑に取れているように聞こえますが、実態は取れていないのがほとんどです。
この言葉は、あくまで経営者からの一方的な思いです。社員はそうじゃないと感じていれば、それはコミュニケーションがとれていないと言えます。コミュニケーションとは双方の想いをきちんとキャッチボール出来ることです。

② 社内コミュニケーションの欠如が起こる理由
コミュニケーションの欠如が起こる最大の理由は、「社長が目線を社員にまで落としていない」ことが挙げられます。中小企業はオーナー企業がほとんどであり、創業者が社長であるケースも多いことから、社長の意見が全てとなってしまいがちです。社員の意見になかなか耳を傾けないケースや、経営者自身の意見を上から押しつけてしまうことが、コミュニケーションの欠如につながります。

③ 会議の数が多い、会議の時間が長い
「会議をすれば、何事も解決をする」「会議で意見交換ができる」と考えている方も多いと思いますが、「会議の数が多い」「会議の時間が長い」のも、経営不振の会社に共通していることです。「会議」とは「物事を相談する場所」ではなく「物事を決める場所」です。相談は普段のコミュニケーションでできていないといけません。また、会議の時間が長いと結局、何を話したのか?何を決めたのか?消化不良で終わってしまうことも多々あります。
もっと、言えば、普段のコミュニケーションがきちんとしていれば、「会議は必要ない」とも言えます。

④ 会計事務所がどのように解決に携わるのか
会計事務所の立ち位置は、第三者でありながら、顧問先の経営者であるとの気持ちをもつことが大切です。
もちろん経営者との意見交換は必要でありますが、同時に社員からの意見の吸い上げも大切です。つまり、社内コミュニケーションの「潤滑油」としての役割が求められます。
やもすると、経営者だけとの会話に終始しがちで、社員からは密室での話が何をしているのか分からないとの不満があるはずです。経営の全てをガラス張りにする必要もないかもしれませんが、社員からの声をきちんと経営者に伝える役割も求められます。会計事務所が、社内コミュニケーションを円滑にするための橋渡しになることが大切です。

 


徳永 貴則

(株)スペースワン 代表取締役 金融税理士アドバイザー講座主催
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大和銀行(現りそな銀行)にて、都内を中心に主に法人融資の新規開拓業務を行う。その後、本店融資部・審査部門を歴任。2,000社以上の融資に携わる。これらの経験を活かし㈱スペースワンを創設。銀行融資のコンサルをはじめ、事業再生や経営改善のアドバイスも行っている。
また、金融税理士アドバイザーの専任講師としても活躍中。

(株)スペースワン
http://financial-advise.net/
金融税理士アドバイザー講座
http://finance-zeirishi-adviser.com/

Vol.1 経営者は真の相談者を求めている

認定支援機関928a855f502cc547e9f0daa0a7ff57ee_sによる経営改善計画策定支援事業が継続されることになりましたが、残念ながら計画申請の件数は伸び悩んでいるのが実態です。

これには多くの理由があると思いますが、一番の理由は「再生の手法が分からない」「銀行の考え方が分からない」ことです。

しかし、これはあくまで会計事務所の論理であって、助けを求めている顧問先の要望とはかけ離れているのが実態です。

業績不振により資金繰りに苦しんでいる会社にとって会計事務所が唯一身近な相談相手です。しかしながら、銀行にも相談できないことを、顧問の会計事務所に相談したいけれど、的を得た相談に乗ってくれないとの声をよく聞きます。

弊社は、会計事務所に経営改善計画の作成方法、金融機関との交渉方法、そして事業再生をどのようにやっていくのかのアドバイスをさせて頂いておりますが、数多くの会計事務所は、ノウハウが全くないといっても過言ではありません。なかには意識の高い会計事務所もありますが、数としてはかなり少ないのが実態です。経営改善業務には、税務会計とは全く違ったフィールドの知識や経験が必要ですし、加えて金融機関の交渉には、銀行融資の知識も必要になります。これは、書籍やセミナーを受けているだけでは簡単には身につくものではなく、やはり経験がものをいう業務になります。

今回から始めるコラムでは、「事業再生の現場から」と題して、私が実際に顧問先にてどのようなことが起きているのか、そしてどう対処していっているのかについて、ワンテーマごとにお話をして参ります。会計事務所の皆様におかれましては、「経営改善業務」が顧問先のニーズに応えること、そして他の会計事務所と差別化を図り、ひいては顧問料、売上アップ、職員のスキル向上に繋がる業務であることを、認識して頂ければ幸いです。

弊社で指導させて頂いている会計事務所の経営不振に苦しんでいる顧問先の経営者からは「非常に助かる」との言葉を頂いております。

「難易度」が高い業務だとは思いますが、それだからこそ、顧問先から喜ばれ、税務会計業務以上の対価を頂けますので、是非多くの会計事務所がこの業務に取り組んで頂けることを期待しております。次号以降のレポートににご期待ください!

 


徳永 貴則

(株)スペースワン 代表取締役 金融税理士アドバイザー講座主催
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大和銀行(現りそな銀行)にて、都内を中心に主に法人融資の新規開拓業務を行う。その後、本店融資部・審査部門を歴任。2,000社以上の融資に携わる。これらの経験を活かし㈱スペースワンを創設。銀行融資のコンサルをはじめ、事業再生や経営改善のアドバイスも行っている。
また、金融税理士アドバイザーの専任講師としても活躍中。

(株)スペースワン
http://financial-advise.net/
金融税理士アドバイザー講座
http://finance-zeirishi-adviser.com/