月別アーカイブ: 2019年7月

VOL.51 オンライン融資がいよいよ動き出した(その5)

オンライン融資始動をテーマにしたお話も5回目の今回で最終回になります。

最終回は、対象となる事業会社はどんな会社か?そしてオンライン融資業界の今後についてお話をさせて頂きます。

※ここでは対象を法人と書いておりますが、個人向けに融資を行っている事業会社もありますので、各社の対象については、個別にご確認をお願いします。

▽対象となる事業会社はどこか

1.バランスシートレンディング
(財務データを活用する企業をここではこのグループにしています)

※口座の履歴を使う点では「トランザクションレンディング」のグループとも言えます。

まず、1回目にお話しした「バランスシートレンディング」を行っている会社については、指定された「クラウド会計」で会計処理を行っていることが条件です。

たとえば、

〇会計ソフト弥生の「アルトア」では「弥生会計オンライン」を利用している企業が「必須条件」になります

〇「LENDY」では、クラウド会計ソフト「フリー」「マネーフォワード」などを利用している企業
※ただし、LENDYではクラウド会計の利用は必須ではありません

〇「ジャパンネット銀行」のビジネスローンでは「フリー」の会計ソフトが必須(代表者保証がいる)

このように「会計データ」をベースとして審査する企業の場合は、指定される「クラウド会計」を導入していることが前提です。

また、仕訳も1か月前までの分は完了していることが望ましいです。
(事業会社ごとに基準が異なります)

2.トランザクションレンディング

「トランザクションレンディング」を行っている会社の対象会社は、評価サイトやPOSレジ、ECサイトを使用している企業が対象です。

たとえば

〇Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングなどのECサイトを利用して販売をしている企業

〇「リクルートファイナンス」では「じゃらん」「ホットペッパーグルメ」「ホットペッパービューティー」「SUUMO」などの登録を行っている企業

〇「住信SBI銀行」の「レンディング・ワン」では一定期間の法人口座利用履歴から審査

など、それぞれの事業会社が審査データをどこに求めているかによって対象企業が異なります。

▽今後のオンライン融資業界の動きは

現在は、まだ審査データの範囲が狭いですが、今後、多くのクラウド会計企業との連携や、金融機関との連携が加速してくることで、利用できる企業が増えてくると予想されます。

企業の成長ステージによって

1.創業ステージ→政府系や保証協会の創業融資を利用する

2.創業1年~3年→「オンライン融資」が有効活用していく

3.創業3年~成長ステージ→金融機関からの運転資金+「オンライン融資」の使い分け

4.さらなる成長ステージ→大きな金額を金融機関から融資してもらう

このように、今まで金融機関が及び腰になっていた2、3のステージにある企業が新たな資金調達の窓口として「オンライン融資」を有効活用できるのではと感じております。

企業のみならず会計事務所としても、「知らない」では済まない時代が来ております。

皆さんも「オンライン融資」の活用について是非、積極的に情報収集をしてみることをお勧めします。

 

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VOL.50 オンライン融資がいよいよ動き出した(その4)

「オンライン融資始動!」の4回目になります。

今回は、オンライン融資を利用するにあたっての利用者側の注意点についてお話をします。

▽利用上の注意点は「つなぎ融資」の位置づけを忘れないこと

今のオンライン融資業界は、まだスタートして2年ほどですので「黎明期」にあると言っていいでしょう。

ですから、まだ金額のボリューム感や返済期間については、銀行融資よりも劣ることになります。

ただし、オンライン融資が銀行融資を全て取って代わることはないと思います

金額については、各社ばらばらな感もありますが、最小では10万円~最大では1,500万円の幅があり、返済期間も(1か月~最長6年半ほど)のものもあります。

(これはオンライン事業会社によって業種や対象会社の違いもありますので、ご注意ください)

たとえば、月のなかで、支払いが毎月20日なのに売上回収が月末になっており、10日ほど資金ショートしてしまう場合、

これまでは

〇社長の自己資金で資金繰りを埋める
〇社長がクレジットカードでキャッシングして埋める
〇支払の一部を月末にずらす

などの資金繰りの工面をやっていたと思います。

10日の資金を埋めるための「つなぎ」としては、このオンライン融資はまさに「適任」だと思います。

クレジット枠でキャッシングする手間もなくなるので、利用価値はあると思います。

ただし、前回もお話ししましたが「金利は高い」ので、この借り入れを恒常的に利用してしまうと、コストが高くなることになり、なかなか抜け出せなくなるデメリットがあります。

つまり、「赤字」補填として借入額が増えてしまうのが注意点です。

この「つなぎ」をうまく利用している間に「売上を上げて利益を出せるようにする」ことが同時に必要になるのです。

▽決算書にオンライン融資の借入があるのが嫌だと感じるか

法人として「オンライン融資」を受けて決算書にその事業会社の名前と金額が記載されることに抵抗感を覚える方もいると思います。

理由としては、銀行が見たときに「ノンバンク借入」だと見られることだと思います。

しかし、今の「オンライン事業会社」は金融機関と提携の動きが活発化してきており、金融機関の認知度は私たちが思っている以上に高くなってきております。

俗にいう「ノンバンク」の印象とは同レベルではないだろうと私は思っております。

次回は、最終回になりますが、オンライン融資を受けれる企業はどんな企業が対象か?そして今後のオンライン融資業界の展望についてお話をさせて頂きます。

 

 

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