前回から「経営者保証ガイドライン3要件」についてお話をしております。
今回は前回の続きで「法人」と「個人」の関係の明確な区分分離のお話をします。
▽事業用資産が「法人名義」にすぐにできなくても「適正な賃料」を払っていればOK
事業用資産を法人名義にするには、大きな資金が必要になりますので、銀行から借りられるのか? 返済は出来るのか? などの不安があるのは当然です。
そこで金融庁からガイドラインについての補足説明があります。
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資産の分離については、経営者が法人の事業活動に必要な本社・土地・工場・営業車両等の資産を所有している場合、経営者の都合によるこれらの資産の第三者への売却や担保提供等により事業継続に支障をきたす恐れがあるため、そのような資産については経営者個人の所有とはせず、法人所有とすることが望ましいとされています。
なお、経営者が所有する法人の事業活動に必要な資産が法人の資金調達のために担保提供されていたり、契約において資産処分が制限されているなど、経営者の都合による売却が制限されている場合や、自宅が店舗を兼ねている、自家用車が営業車を兼ねているなど、明確な分離が困難の場合においては、法人が経営者に適切な賃料を支払うことで、実質的に法人と個人が分離されているものと考えられます。
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補足説明を要約すると
〇本社を法人借りれのために担保提供をしている
〇自宅兼店舗や本社になっている
〇個人所有の本社などの売却を制限している契約がある
(これはあまりないかもしれませんが)
などについては、「適正な賃料」を払っていれば検討のテーブルに乗ると言っています。
▽適正な賃料は「税務上の適正相場」
次に「適正な賃料」はどこを基準にするか?ですが、これは「税務上適正な賃料」の解釈でいいと思います。税務上では周辺相場から賃料設定を行いますので、周辺相場よりも「あまりに高い」「あまりに低い」賃料設定にしている場合には、早急に顧問税理士と相談のうえで是正をしてください。
次回は、ガイドライン3要件の残り2つについてお話をします。
徳永 貴則
(株)スペースワン 代表取締役 金融税理士アドバイザー講座主催
大和銀行(現りそな銀行)にて、都内を中心に主に法人融資の新規開拓業務を行う。その後、本店融資部・審査部門を歴任。2,000社以上の融資に携わる。これらの経験を活かし㈱スペースワンを創設。銀行融資のコンサルをはじめ、事業再生や経営改善のアドバイスも行っている。
また、金融税理士アドバイザーの専任講師としても活躍中。
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