日別アーカイブ: 2020年3月17日

VOL.57 「経営者保証ガイドラインの3要件」を知ってますか?(3)」

経営者保証ガイドラインの3要件についての最終回のお話になります。

今回はガイドラインの➁(財務基盤の強化)、➂(適時適正な情報開示)の要件についてお話をします。

 

▽「財務基盤」の強化とは「純資産」がプラスであること

財務基盤の強化はいうまでもなく「法人の資産」で「法人の負債」が返済できることです。

言い換えれば、「純資産がプラス」であることです。(純資産は簿価上の純資産ではなく、実態の純資産になります。つまり不良資産を控除した後の純資産になります)

そのためにやるべきことは融資判断の信用格付を「正常先」にしないといけません。

〇個人として消費した費用(飲食代)については法人で処理しない

〇必要以上の節税策はやらないこと

〇本業の粗利益を向上させる努力を続けること

当たり前のようですが、これが王道かつこれ以外の方法はありません。

特に「強引な節税策」については、財務基盤を痛め、かつ資金を社外に出してしまうことに成りますので安易に使わないようにしてください。

 

▽適時適正な「情報開示」は「内部管理体制」がきちんとしているかどうか

適時適正な情報開示とは、取引銀行に対してきちんと財務情報の開示を行っているかどうかを言っています。

具体的には

〇試算表を毎月、ダメなら3か月ごとに提出しているか

〇資金繰り表を整備できているか

〇3か年などの「事業計画書」を策定しているか

この部分がポイントになります。特に試算表については、当月締めたものが翌月末までには出来上がるようにしないといけません。
そのためには顧問の会計事務所との連携や管理体制の整備が必要です。

これは「経営者保証ガイドライン」のためというよりも、自社の管理レベルを上げるために不可欠なものです。

翌月までに試算表を出すためには「自計(自分で帳簿をうつこと)が条件になるはずです。

 

次に、事業計画書や資金繰り表については、会計事務所が「経営革新等支援機関」に認定されている場合、「早期経営改善計画」などの支援制度を利用して、自社の情報を積極的に発信しているかどうかになります。

以上、3回にわたり、「経営者保証ガイドライン3要件」についてお話をしてきましたが、どれも今日明日すぐにできるものではありません。

しかし、「経営者保証」のストレスを取るための努力と考えれば、十分にこなせるミッションだと思いますのでスケジュール感をもって取り組んでいただければと思います。


徳永 貴則
(株)スペースワン 代表取締役 金融税理士アドバイザー講座主催
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大和銀行(現りそな銀行)にて、都内を中心に主に法人融資の新規開拓業務を行う。その後、本店融資部・審査部門を歴任。2,000社以上の融資に携わる。これらの経験を活かし㈱スペースワンを創設。銀行融資のコンサルをはじめ、事業再生や経営改善のアドバイスも行っている。
また、金融税理士アドバイザーの専任講師としても活躍中。

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