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VOL.54 「経営者保証の「二重保証」は絶対に避けるべき」

H26年2月に公表された「経営者保証ガイドライン」ですが、世間の認知度はまだまだ低い状況です。
私がセミナーを行っている際に「知っている方はいますか?」と聞いてみても会計事務所でも全体の10%ほどです。
会計事務所でも知らないぐらいですから、経営者の方への認知度はもっと低いのではないかと想像できます。

今回は経営者保証に関して特に問題となっている「二重保証」についてお話をさせて頂きます。

▽「二重保証」になっている企業は全体の40%もある

まず「二重保証」とは何か?ですが、事業承継を行う場合に「旧代表者」は承継前から銀行に対して債務保証人となっていると思います。
事業承継を行った際に「新代表者」についても債務保証人として追加で保証人となり、「旧・新代表者」が「二重に保証人となっている」ケース、これが「二重保証」と呼ばれているものです。

さらに金融庁の統計では、事業承継を行った企業のうち全体の40%が「二重保証」の状態にあるのです。
晴れて後継者に会社を任せることになっても旧経営者は「保証人」からは逃れられていないのが実態です。

▽なぜ「二重保証」になってしまっているのか

私が銀行員の時は確かになんの考えもせずに「旧・新」どちらの方にも「保証人」になってもらうのが当たり前のようにやっていたのかもしれません。
「保証人」はその債務を完済するまで「外れない」と固定概念を頂いていたのでしょう。
(一般的には債務を完済するまで保証は外れないとされています。さらに保証人が死亡しても保証債務が相続の対象になってしまいます。)

また、後継者に任せたとはいっても、旧経営者の「支配権」(まだまだ旧経営者がいないと会社が回らない)が残っている以上は、「保証債務から解放できない」といったことも理由にあったと思います。
実際に、「今日から後継者に任せた!」とはいっても急に旧経営者が会社に来なくなり、実務を指揮しなくなるのは現実的ではないと思います。

しかし、国としてはこの「二重保証」について問題視しており、2020年度から原則禁止とする方向で検討を始めております。
(原則とついていることから一律どの企業にも適用されるとは言えない)

まだ正式な指針は出ておりませんが、これから事業承継を考えている企業にとっては、いい情報だと思います。
今後、事業承継の数はさらに増加するのは間違いなく、「保証人問題」がよりクローズアップされてくるのも間違いありません。

新しい動きや情報が出ましたら、こちらでも積極的に発信させて頂きます。

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VOL.53 「リスケ契約後に追加担保を入れてしまったらどうしたらよいか?(その2)」

前回からの続きになります。

リスケ契約後に追加担保設定をしてしまい、銀行団の「プロラタの原則」を破るとどうなるかのか? については前回お話をさせて頂きました。

今回は「プロラタの原則」が破れた場合の解決策についてお話をします。

▽「ダンパ返済」を是正するやり方はふたつある

「プロラタ=全行平等」が破れた状態を「ダンパ」状態にあると言います。
ダンパとはダンパリングの略語ですが、よくプロ野球選手の入団交渉で不法に事前協議を行う意味で使われます。
簡単に言うと「ルール違反」の状態の意味です。

銀行のリスケにおいての「ダンパ返済」とはどういうことを指すのか?

(1) 全行がリスケを始める流れなのに、特定の銀行だけリスケ前の返済額の返済を行っていた。
(つまり、リスケ開始時期が揃っていない)
(2) リスケ後に不動産や預金などの資産に対して追加担保を設定すること
(3) 特定の銀行だけ返済額がシェア割りになっていない

などなど平等になっていないことを指します。

▽ダンパ返済の解決はどうしたらよいか

ダンパ返済の解決策にはいろんな方法がありますが、上記の➀~③の状態を解決するには

(1) 全行がリスケを始める流れなのに、特定の銀行だけリスケ前の返済額の返済を行っていた。(つまり、リスケ開始時期が揃っていない)

→全ての銀行にリスケ前の返済額を返済すること(ただし資金繰り的に無理だと思いますが)
→特定の銀行に返済してもらった分を、シェア調整のうえで特定の銀行だけ返済を止める

(2) リスケ後に不動産や預金などの資産に対して追加担保を設定すること

→追加担保設定を解除してもらう
→解除できなければ、担保充当額分の金額に満つるまでその銀行の返済は行わない

(3) 特定の銀行だけ返済額がシェア割りになっていない
→特定の銀行だけの返済余剰分に対して、返済を止める

このように、基本的にはリスケ後の返済額の調整を行いますが、数年単位での調整になりますので管理はかなり大変になります。

この考え方は「上級レベル」だと思いますし、私もなかなかダンパの事例には当たらないので、経験がない方はこの発想すら浮かばないと思います。

▽肝心なのは「ダンパ状態」を発生させないこと

ダンパ状態を解決する策はあるとは言うものの、全行の同意を得るために割く時間とエネルギーは相当なものです。

本来は本業の立て直しに向けるべきエネルギーを割かれてしまいます。

そのためにも、自ら「ダンパ状態」を発生させないことです。

(1) リスケ後の追加担保は断固拒否
(2) リスケ後の返済額も特定の銀行への「忖度」は決してやってはいけない

この2点をよく覚えておいてください。

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■オンライン融資の「可能性」と「強み・弱み」をディスカッションします!

10月18日に株式会社ゼイカイ様主催の「第6回 会計事務所博覧会」パネルディスカッションにて私がモデレーターとして登壇します。

●テーマ
オンライン融資「元年」新たな金融サービスがもたらす顧問先支援の新潮流

●パネラー
・アルトア株式会社
岡本社長(弥生会計代表兼務)
・マネーフォワードファイン株式会社
家田社長
・OneWorld税理士法人
大野代表
・住信SBIネット銀行
柴田ネオバンク事業部 副部長

私の担当は10月18日 10時半~11時半になります。
まさに「AI融資」の先陣を切っている皆さんに対して「痛い質問」もして
いきたいと思います!

場所は秋葉原UDXになります。
ご聴講には事前申し込みが必要になりますので、会計博サイトにてお申し込みください。
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VOL.52 「リスケ契約後に追加担保を入れてしまったらどうしたらよいか?(その1)」

先日、銀行6行とリスケジュール(以下リスケ)を実施した先でバンクミーティングを行った際に実際にあったお話です。

その中で一点大きな問題が発生しました。

取引銀行の中でプロパー融資を一番多く出している某地銀が、「リスケ後」に債務者所有の不動産に対して追加担保(第2順位での根抵当権)を設定していたのです。

追加担保設定は、私がコンサルティング契約を結ぶ前に行われていたために、対処にかなり苦慮し、他行の同意を最終的に得るまでには、多くの時間が必要です。(まだ最終合意は得られてませんが)

今回は「リスケ後にやってはいけないこと」、「銀行団の足並みを乱す」ことをしてしまったらどういう状態に陥るのかについてお話をさせて頂きます。

▽リスケの大原則は「プロラタの原則」がある

皆さんは既にご存知だと思いますが、リスケの大原則に「プロラタの原則」があります。これは「全行平等の原則」の意味です。

平等の意味には大きく以下のふたつの意味があります。

➀返済額は残高按分にてシェア割りを行うこと
➁リスケ後に追加の担保や保証を取らないこと
(リスケ以前の保全は尊重する)

つまり、特定の銀行だけに保全や返済額の偏りをさせることはダメだということです。

この「プロラタの原則」を破ってしまうとリスケ契約は成立しない!と言ってもいいでしょう。

逆に言えば「プロラタの原則」をきちんと守っていれば、リスケ契約の可能性は高まると言えます。

▽なぜその銀行は追加担保に走ったのか?

もちろん銀行も「プロラタの原則」は知っているはずですが、なぜ追加担保設定に走ってしまったのか?

その銀行の気持ちになって推測してみると

〇プロパー残高が一番多い銀行であったこと
〇直近のプロパー貸し出しが半年ぐらいと間もないこと
〇本部に咎められると焦っていたこと

といった銀行本位の理由が考えられます。

追加担保設定をした時期は、確かに全ての銀行がリスケ契約を正式締結していない時期ではありましたが、返済額のストップは全ての銀行で形式的には行われていました。
かつ一回目のバンクミーティングも行わていました。
(1回目のバンクミーティングは私と出会う前だったのでその状況は正確にはわかりませんが)
私から言えば、その「隙」に動いたしか言いようがありません。当然ながら、他行はその事実を後で(3か月後)に知ることになりますが、他行は怒り心頭です。
そうなるとリスケの合意が取れなくなってしまうのです。

では、その状況をいかに打開するか?
そのお話は次回にさせて頂きます。

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VOL.51 オンライン融資がいよいよ動き出した(その5)

オンライン融資始動をテーマにしたお話も5回目の今回で最終回になります。

最終回は、対象となる事業会社はどんな会社か?そしてオンライン融資業界の今後についてお話をさせて頂きます。

※ここでは対象を法人と書いておりますが、個人向けに融資を行っている事業会社もありますので、各社の対象については、個別にご確認をお願いします。

▽対象となる事業会社はどこか

1.バランスシートレンディング
(財務データを活用する企業をここではこのグループにしています)

※口座の履歴を使う点では「トランザクションレンディング」のグループとも言えます。

まず、1回目にお話しした「バランスシートレンディング」を行っている会社については、指定された「クラウド会計」で会計処理を行っていることが条件です。

たとえば、

〇会計ソフト弥生の「アルトア」では「弥生会計オンライン」を利用している企業が「必須条件」になります

〇「LENDY」では、クラウド会計ソフト「フリー」「マネーフォワード」などを利用している企業
※ただし、LENDYではクラウド会計の利用は必須ではありません

〇「ジャパンネット銀行」のビジネスローンでは「フリー」の会計ソフトが必須(代表者保証がいる)

このように「会計データ」をベースとして審査する企業の場合は、指定される「クラウド会計」を導入していることが前提です。

また、仕訳も1か月前までの分は完了していることが望ましいです。
(事業会社ごとに基準が異なります)

2.トランザクションレンディング

「トランザクションレンディング」を行っている会社の対象会社は、評価サイトやPOSレジ、ECサイトを使用している企業が対象です。

たとえば

〇Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングなどのECサイトを利用して販売をしている企業

〇「リクルートファイナンス」では「じゃらん」「ホットペッパーグルメ」「ホットペッパービューティー」「SUUMO」などの登録を行っている企業

〇「住信SBI銀行」の「レンディング・ワン」では一定期間の法人口座利用履歴から審査

など、それぞれの事業会社が審査データをどこに求めているかによって対象企業が異なります。

▽今後のオンライン融資業界の動きは

現在は、まだ審査データの範囲が狭いですが、今後、多くのクラウド会計企業との連携や、金融機関との連携が加速してくることで、利用できる企業が増えてくると予想されます。

企業の成長ステージによって

1.創業ステージ→政府系や保証協会の創業融資を利用する

2.創業1年~3年→「オンライン融資」が有効活用していく

3.創業3年~成長ステージ→金融機関からの運転資金+「オンライン融資」の使い分け

4.さらなる成長ステージ→大きな金額を金融機関から融資してもらう

このように、今まで金融機関が及び腰になっていた2、3のステージにある企業が新たな資金調達の窓口として「オンライン融資」を有効活用できるのではと感じております。

企業のみならず会計事務所としても、「知らない」では済まない時代が来ております。

皆さんも「オンライン融資」の活用について是非、積極的に情報収集をしてみることをお勧めします。

 

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VOL.50 オンライン融資がいよいよ動き出した(その4)

「オンライン融資始動!」の4回目になります。

今回は、オンライン融資を利用するにあたっての利用者側の注意点についてお話をします。

▽利用上の注意点は「つなぎ融資」の位置づけを忘れないこと

今のオンライン融資業界は、まだスタートして2年ほどですので「黎明期」にあると言っていいでしょう。

ですから、まだ金額のボリューム感や返済期間については、銀行融資よりも劣ることになります。

ただし、オンライン融資が銀行融資を全て取って代わることはないと思います

金額については、各社ばらばらな感もありますが、最小では10万円~最大では1,500万円の幅があり、返済期間も(1か月~最長6年半ほど)のものもあります。

(これはオンライン事業会社によって業種や対象会社の違いもありますので、ご注意ください)

たとえば、月のなかで、支払いが毎月20日なのに売上回収が月末になっており、10日ほど資金ショートしてしまう場合、

これまでは

〇社長の自己資金で資金繰りを埋める
〇社長がクレジットカードでキャッシングして埋める
〇支払の一部を月末にずらす

などの資金繰りの工面をやっていたと思います。

10日の資金を埋めるための「つなぎ」としては、このオンライン融資はまさに「適任」だと思います。

クレジット枠でキャッシングする手間もなくなるので、利用価値はあると思います。

ただし、前回もお話ししましたが「金利は高い」ので、この借り入れを恒常的に利用してしまうと、コストが高くなることになり、なかなか抜け出せなくなるデメリットがあります。

つまり、「赤字」補填として借入額が増えてしまうのが注意点です。

この「つなぎ」をうまく利用している間に「売上を上げて利益を出せるようにする」ことが同時に必要になるのです。

▽決算書にオンライン融資の借入があるのが嫌だと感じるか

法人として「オンライン融資」を受けて決算書にその事業会社の名前と金額が記載されることに抵抗感を覚える方もいると思います。

理由としては、銀行が見たときに「ノンバンク借入」だと見られることだと思います。

しかし、今の「オンライン事業会社」は金融機関と提携の動きが活発化してきており、金融機関の認知度は私たちが思っている以上に高くなってきております。

俗にいう「ノンバンク」の印象とは同レベルではないだろうと私は思っております。

次回は、最終回になりますが、オンライン融資を受けれる企業はどんな企業が対象か?そして今後のオンライン融資業界の展望についてお話をさせて頂きます。

 

 

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