日別アーカイブ: 2017年5月31日

VOL.24「リスケ後の最初の決算で”黒字”になった! 返済額を慌てて引き上げていませんか?」

5月12日、13日に金融税理士アドバイザー講座 「実践編」の第1期講座を行いました。
「基礎編」からご参加頂いた先生の他、遠方の石川県から新たにご参加を頂き誠にありがとうございました。
昨年から金融行政が大きく変化してきており、時代の変化とともに銀行融資の考え方も変化してきていることから、会計事務所の皆様が「先回り」できるようなポイントをお話しさせて頂きました。
今後、私のほうでも「事例」をさらに増やして、具体的なお話ができるように努めて参ります。
皆様からの受講後のアンケートも「十分な内容だった」との嬉しい反応を頂きましたが、さらに内容を充実したものにして参りますので、是非、ご興味のある方はお問合せを宜しくお願い申し上げます。

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リスケ後の最初の決算で「黒字」になった! 返済額を慌てて引き上げていませんか?
3月決算の企業はようやく決算数値が固まり申告の時期になります。企業努力の甲斐もあって晴れて「黒字」決算が組むことができた企業も多くあると思います。
今回は、リスケ実施後の初決算で「黒字」にようやく回復した企業に対しての注意点をお話させて頂きます。

◆キャッシュフローの全額を返済に求めてくる銀行

ようやく黒字が出た!となると、銀行もこれまで厳しい対応をしてきたところも、顔色を変えて返済額の改善交渉に前のめりになってきます。当然ながら、銀行の立場からすれば前年の返済額よりも1円でも多く、毎月の返済額を確保しておきたいところです。
しかも、黒字で生んだキャッシュフローの全額を返済に回すように交渉をしてくる銀行もよく見かけます。

リスケを実施している企業側からすれば、リスケに対して「後ろめたい」気持ちがあることから、銀行の言いなりの返済額で応諾しているケースもよく見かけます。
しかし、大事なのは、リスケ=「原則として追加借り入れができない」事実をきちんと受け止められるかどうかです。さらに、前期は「黒字」だったとしても今期も同様に「黒字」になる保証はないということです。

◆返済額は多くてもキャッシュフローの半分が基本形

では、返済額の増額を求めてくる銀行に対して、どのような交渉を行っていけばよいのでしょうか?
それは、自分自身で返済額を決めるルールを作ることです。
どのようなルールを作ったら良いのか?ですが、これは「教科書的な決まり」はどこにもありません。

ただ、私がクライアントにお話しているルールは「年間キャッシュフローの半分以上の返済は行わない」ことです。

リスケジュールをしている以上、原則として新たな借入は難しいことから、自己資金にて経営を行っていかなければなりません。また、前述のとおり、前期が黒字だったとしても、今期も同じように黒字になる保証はなく、無理をした返済を行ってしまえば、自身の資金繰りを傷めることになります。

リスケ実施中に一番重視すべきことは、「自力資金繰りにて事業を継続させる」ことです。
返済のスピードをあげることは当然ながら大事なことですが、それ以上に大事なことは「持続的かつ安定的な返済」を行うことです。

今期は毎月1,000千円返済できましたが、来年は500千円しか返済できませんとなると、返済額が不安定になり、銀行からの心象も悪くなってしまいます。

仮に、赤字になったとしても、資金繰り上で問題のない返済額にすることが理想ですが、何か返済額の拠り所を決めるとすると、「キャッシュフローの半分」にいきつくのです。

残りの半分のキャッシュフローは手元資金として貯めておくのです。この点を銀行に指摘されたとしても、「継続的な返済」のために、半分までとしたいと説明をすれば、納得してもらえるはずです。

当面は月商の1か月分の手元預金の貯金を目指し、慌てず急がずの返済を行っていくことが、リスケの出口への近道となるのです。

■アドバイザー講座 新設講座「実践編」! 5月より開講しました!

既に9期生を終えまして、6年目に突入する来年から、講座のプログラムをより実践に近づける内容の講座を追加します。

これまでの講座を「基礎編」と位置づけ、新たに「実践編」の講座を新設します。

「基礎編」で融資の体系的な知識を身に着けて頂き、「実践編」で応用できるスキルを身に着けて頂くイメージです。「実践編」では実例を重視し、内容に織り込んでおります。

(なお、「実践編」では「基礎編」の知識があることを前提としております)

「実践編」プログラムは以下の内容で終日2日間コースになります。
第1講座 「会計事務所そして顧問先の切り札となる事業性評価制度」
第2講座 「中小企業庁制定の経営改善計画書」
第3講座 「日本型金融 脱却時代の運転資金の考え方」
第4講座 「リスケの出口を突破した再生実例」

※「実践編」には「事業性評価制度 顧問先フォローマニュアル(小冊子)」の特典付きです!

「基礎編」9期生は6月2日、3日
「実践編」2期生は7月7日、8日
の予定です。

詳細は、下記のアドバイザー講座HPをご覧ください。

http://finance-zeirishi-adviser.com/
(アドバイザー講座のHPはリニューアルオープンしました!)


徳永 貴則
(株)スペースワン 代表取締役 金融税理士アドバイザー講座主催
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大和銀行(現りそな銀行)にて、都内を中心に主に法人融資の新規開拓業務を行う。その後、本店融資部・審査部門を歴任。2,000社以上の融資に携わる。これらの経験を活かし㈱スペースワンを創設。銀行融資のコンサルをはじめ、事業再生や経営改善のアドバイスも行っている。
また、金融税理士アドバイザーの専任講師としても活躍中。

好評発売中!徳永 貴則 DVDシリーズ「実例公開!! 「財務と融資」で顧問料をアップさせる秘訣」他!
http://www.zeikai.net/tool/index/3

(株)スペースワン
http://financial-advise.net/
金融税理士アドバイザー講座
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ゼイカイネットへ
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