VOL.7 リスケの出口戦略のうえで保証協会借入が大きなポイントになる

リスケの出口戦略を考えるに当たっての8dccc6b92f070fcba782a2201c28dc10_sハードルのひとつに「保証協会借入の正常化」があります。
保証協会の借入は中小企業にとって味方になる制度ではありますが、いざリスケを実施して、再び新しい借入をできる状態になるには、超えないといけないポイントが多くあります。
プロパー借入は対銀行だけを考えれば良いのですが、保証協会借入の場合は、銀行と保証協会の両面で考えていかなければならず、利害関係人が1名増えるのです。実はプロパー以上に保証協会の正常化のハードルは意外に高いのです。

◆保証協会借入の出口戦略とは
保証協会の借入が正常化するために、一般的に言われているひとつの条件は
「返済条件を元の形に戻したうえで、その返済を1年ほど続けること」
「かつ既存の借入が10年で返済できるキャッシュフローを創出できること」
と言われています。
ただし、このやり方にはリスクがあります。
ひとつは「新たな借入を行わずに、返済を1年間継続していかなければならないこと」。次に、「1年後に新たな借入ができる保証はない」ということです。
では、この手段でない形で、保証協会借入を正常化させるための次の方法として「自社のキャッシュフローに合わせた返済年数にて借り換えを行うこと」があります。具体的には「特別借り換え」の制度を利用します。ただ、最長でも10年が限度となってますのでで、10年で返済できるだけのキャッシュフローが生み出せるような経営改善が達成できたことが条件になります。(無理な返済額を設定しても、継続できなければ意味がありません)

◆責任共有制度と特別枠融資の違い
皆さんもご存じのとおり、保証協会借入は現在では一般的に責任共有制度のもとで協会の80%保証が主流です。(20%は銀行のリスク)また、特別枠保証の商品として100%保証の制度もあります。
保証協会借入の出口戦略を考えるに当たっては、100%保証の借入と80%保証の借入は別々に考えていかなければなりません。それは、協会の制度の事情で100%保証の借入と80%保証の借入を一体化させて借り換えることが不可能だからです。
具体的には
80%保証の借入→プロパーで借り換えてもらえるぐらいの財務内容に戻すこと、もしくは手元資金にて80%保証分を完済していくことを考えていく必要があります。
100%保証の借入→「特別借換」の制度にて最長10年間で返済可能なキャッシュフロー
を出せる収益力をつけること。
ただし、正常化できたうえでは、新しい借入が可能になりますので、借りながら返済を行っていく考え方も可能です。

今回は、アウトラインしかお話をしておりませんが、個々の会社の借り方の状況や資金繰りの状況によって出口戦略の取り方は変わってきます。今回のお話はあくまで基準となる考え方ですが、このやり方が全てではないことをご承知おきください。

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■■ 編集後記

軽減税率の概要がほぼ見えてきましたが、全く意味不明な結論になっていますね。
同じ商品が店内なら10%、持ち帰りなら8% どうして一物二価になるんでしょうか?

また、財源が6,000億ほど足りない話も先送りになり、恐らく「減税のための増税」が繰り返されることでしょう。
会計事務所の皆さんにおいても、処理の面倒が増えることになり、対応に苦慮されることになると思います。
一体これは何のための軽減税率か。。。やはり「選挙」のための軽減なんでしょうね。


徳永 貴則
(株)スペースワン 代表取締役 金融税理士アドバイザー講座主催
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大和銀行(現りそな銀行)にて、都内を中心に主に法人融資の新規開拓業務を行う。その後、本店融資部・審査部門を歴任。2,000社以上の融資に携わる。これらの経験を活かし㈱スペースワンを創設。銀行融資のコンサルをはじめ、事業再生や経営改善のアドバイスも行っている。
また、金融税理士アドバイザーの専任講師としても活躍中。

(株)スペースワン
http://financial-advise.net/
金融税理士アドバイザー講座
http://finance-zeirishi-adviser.com/

 

 

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